2027年に向けて
2025年6月、石川県加賀市で初開催された KAGA SPA Trail Endurance100 by UTMB® は、日本唯一のUTMB® World Series の一戦として、国内外から多くのランナーを迎え、加賀の大自然と温泉文化が織り成す唯一無二の舞台を世界へ発信する大会となりました。
続く2026年大会では、初年度の課題を一つひとつ改善し、コース設計・大会運営・選手サービスの質を大幅に向上させることが出来ました。その結果、参加者満足度は大きく高まり、ランナー・地域住民・観光事業者が一体となって、加賀市のスポーツツーリズムの可能性をさらに広げる一年となりました。世界55か国、7大陸すべてから参加いただいた選手のみなさん、一緒に大会を作り上げてくださったすべてのスタッフの皆さん、改めまして、本当にありがとうございました。
そして2027年、KAGA SPA Trail Endurance100 by UTMB® は、さらなる進化と国際的大会価値の向上を目指し、第3回大会を開催いたします。 世界各国から訪れるランナーが、この地で新たな挑戦と感動を見つけられるよう、私たちは準備を進めています。 2027年も、加賀の自然が生み出す厳しさと美しさ、そしてこの地を愛する人々の温かさを、世界中のトレイルランナーに体験していただけることを心より楽しみにしています。
レースディレクター 滝川 次郎
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古代から続く知られざる美しい山々
石川県にある山中温泉は、開湯から1300年の歴史があります。レースの舞台である山中温泉には、富士写ヶ岳、大日山、鞍掛山からなる河南三山と呼ばれる雄大な里山が連なり、360度を見渡せる絶景の稜線トレイル、美しい新緑のブナの原生林を見ながらの急登、健やかに流れる渓流沿いのシングルトラック、木の根っこやガレ場のテクニカルな下り、メンタルに打ち勝つ長い林道、歴史を感じる厳かな散策路等、日本ならではのトレイルコースに、世界各国のランナーたちは感動することでしょう。
開湯から1,300年の歴史を持つ秘湯
スタート、ゴールの地である山中温泉の歴史は古く、約1,300年前に奈良時代の高僧・行基が発見したと伝えられています。行基は丸太に薬師仏を刻んで祠を造り、温泉のお守りとしました。多くの人が山中を訪ね、その湯で病と疲れを癒したとされます。 イベント会場の中心にある総湯は菊の湯と呼ばれ、男湯と女湯が隣同士に建てられています。
奈良時代から時は過ぎて平安末期の治承の頃。能登の地頭・長谷部信連は一羽の白鷺が傷めた足を山陰の小さな流れで癒しているのを見つけます。その場所を掘ると5寸ばかりの薬師如来像が現れ、美しい温泉が湧き出しました。信連はここに12件の湯宿を開き、それが山中温泉旅館の始まりと語り継がれています。
さらに長い時を経た元禄の頃。俳聖・松尾芭蕉が弟子の曾良を伴って日本各地を旅した奥の細道の途中、元禄2年7月27日に山中温泉を訪れています。芭蕉は山中の湯を、有馬・草津と並ぶ「扶桑の三名湯」と讃え、「山中や 菊は手折らじ 湯の匂ひ」の句を読みました。
9日間も山中に逗留した芭蕉は、薬師堂を詣で、温泉につかり、風光明媚な景色を心から楽しんだと言われています。以来300年余の時が流れた今もなお、ここ山中の地にはこんこんと湧く出湯と豊かな自然、日本の美と心が受け継がれているのです。